基本情報やITに関する勉強をしていると「NAT」という言葉を見かけることがありますが、
「一体何なの?」と思ったことはありませんか?
今回はNAT(Network Address Translation(ネットワーク アドレス トランスレーション))
についてみてみましょう。
NATの役割とは
NAT(Network Address Translation)は、ネットワーク上で異なるアドレス空間を相互に変換する技術です。
主な役割は、プライベートIPアドレスを使用している内部ネットワークから外部ネットワークへの通信を可能にすることです。
これにより、限られた公共IPアドレスを有効活用でき、同時に内部デバイスのセキュリティも確保します。
IPアドレスの基本
IPアドレスは、ネットワーク上のデバイスを識別するための一意の識別子です。IPv4では32ビットのアドレスが一般的で、通常、4つのオクテットに分かれて表現されます。
しかし、インターネット上のデバイスが増加するにつれて、IPv4アドレスの枯渇が進みました。NATは、この課題に対処するために導入されました。
IPアドレスについては以前記事にしたので気が向いたら読んでみてください
NATの種類と動作
Static NAT(静的NAT)
Static NATは、ネットワーク上のデバイスに対して固定の1対1のアドレス変換を提供します。
つまり、内部のプライベートIPアドレスを外部の公共IPアドレスに常にマッピングします。
- 特定のプライベートIPアドレスを対応する公共IPアドレスに割り当てを行う。
- 1:1のマッピングを実現し、特定のデバイスが特定の公共IPに関連付けられる。
Dynamic NAT(動的NAT)
Dynamic NAT(Dynamic Network Address Translation)は、内部のプライベートIPアドレスが必要なときに、利用可能な外部の公共IPアドレスと動的にマッピングされる仕組みです。
必要に応じて、内部デバイスが通信を開始すると、ルーターが利用可能な公共IPアドレスを割り当てます。
- プールから利用可能な公共IPアドレスを動的にデバイスに割り当て。
- 複数のデバイスが同時にインターネットにアクセスできるようになる。

プールはざっくり言うと利用可能なIPアドレスの集まりのことです。
デバイスが通信を行う際に、その都度、プールから利用可能なIPアドレスが割り当てられ、デバイスはそのIPアドレスを一時的に使用するみたいな感じです。
PAT (ポート アドレス変換)
PAT(Port Address Translation)は、ポート番号を使用して複数の内部デバイスを区別するNATの一種です。
同じプライベートIPアドレスを共有する複数のデバイスが、同時に外部通信する場合、それぞれの通信を異なるポート番号で区別します。
- ポート番号を使用して複数の内部デバイスを区別単一の公共IPアドレスを複数のプライベートIPアドレスに割り当て。
- ポート番号によって異なる通信を区別し、1つの公共IPアドレスで複数のデバイスを区別可能にする。
まとめ
以上がNATに関しての説明でした。
NATを使用するメリットとしては
- IPアドレスの節約
- 多くのデバイスが1つの公共IPアドレスを共有するため、限られたIPv4アドレスの有効利用が可能。
- 内部デバイスが直接公共IPにアクセスせず、ルーターを介して通信するため、セキュリティが向上。
です。
要はたくさんのデバイスが1つの公共IPをシェアして、同時に外部と通信できるようになり、インターネットをより効果的に使える感じです!