皆さんはドストエフスキーの地下室の手記を読んだことありますか?
今回はこの作品がどういう物語か凄く簡単に書きますので、もし興味があったら読んでみてください。

ネタバレも含みますので内容を知りたくない人は見ないでください。
主人公は元役人で40歳
遺産を貰ったことで引退して現在は働かずに生活している。
自分のことを病んだ人間であり、意地の汚い人間と自覚しており、過去について振り返ろうとしている所から話が始まります。
ちなみに過去のエピソードを話し始める前になぜ手記を書こうと思ったのかで全内容の3分の1位使っているので、過去の物語は割と読み進めないと始まらないです。
がしかし、手記自体も仮想の読者に対して、語り掛けていたり、こう質問されるだろうから先に返答を書いていたりして全然飽きないです。
で、肝心の内容なんですが、
主人公めちゃめんどくさい人やんけ!
って感じです。
物語的には確かに主人公が自分で言う通り頭は良いです!
どんな人の思い出にも親友にしか打ち明けられないものや、親友にすら言えない事がある。更には自分にすら打ち明けるのを恐れる事さえあり、どんな人間にもかなりの量つもりたまっているものだ。
という哲学的な話をしたり、
人間はどんなところにでも快楽を見い出すという持論を語り、
例として歯痛に対してのうめき声なども快楽の表現だとしています。
誰かに診てもらえばすぐに治すことができるが、もし診てもらえなかったら永遠に続くという意識の表現
そして歯痛に対して納得がいかなくても本人にできることは自分を殴るか壁を殴るかくらいの選択肢がないという意識の表現である。
内容は他にも色々ありますが、こうした屈辱や誰から受けたかわからなぬ嘲笑も快楽の始まりだと語っています。
他にも、人間は到達を好む癖に行き着いてしまうのは苦手だとか様々な考えが書かれており、
読んでて確かに言われてみればその通りかもしれない
と思う事がたくさん書かれています。
がしかし、主人公が自分で病んでいて、人好きのしない、意地の悪い人間と語っていた通り、
頭がいいのを鼻にかけすぎて人間関係が上手くいかない感じが物語の中にいくつものエピソードとして出てきます。
これも一部分ですが、狭い道ですれ違った将校の大男に肩を掴まれてどかされたことに対して腹を立てるエピソードがあるのですが、
一般的な人なら
「マナー悪いな」とか何かしら心の中で思ったり、もしかしたら文句を言ったりするかもしれませんが、
大抵はそこで終わります。
がしかし
主人公は違います。
その出来ごとに対して数年間腹を立てて、将校の素性を探るために内偵をし始めて、住所などを突き止めます。
この時点で既に
「ヤバイやつかよ」
と思うかもしれませんが、主人公の行動はまだまだ続きます(;´・ω・)
その後、中傷する小説を書き上げて投稿をしたりするも、採用されなかった為、最終的に将校と同じ立場の人間である風を装う為に借金をして服装を整えて、相手がよく通る道で待ち伏せをして歩いてきたところを偶然を装い対面から歩き方をぶつけるというエキセントリックなプレイをかまして大満足で家に帰るという恐ろしい執念深さを披露します(笑)
他にも出世した昔の学校の友人が道ですれ違ったときに挨拶をされなくて、
「俺みたいな奴と挨拶したら品位が落ちると思ってんのか、ウォ~~~イ!!」
って心の中で思ったりと、とにかくネガティブの塊みたいな考え方をしたりしてます。
(ウォ~~~イ!とは実際書いてないですイメージです(笑))
その他にも女性と話しているときに少し反論されると
「こっちは親身になって相談になってやってる」
とか自分と意見が一致すると、俺たち似た者同士だなと考えるようになったり
ってな感じでとにかくとりあえず相手を下に見る癖があり、なおかつネガティブな考え方故に人間関係がうまくいかなかった話がいくつも出てきます。
ここまで読んで、
「この人ヤバすぎかよ」
って思った方もいると思いますが、ここまで振り切ってないにしても
誰しも物事を必要以上にネガティブに考えたり、誰かを下に見たりする事を経験したことあるのではないでしょうか!?
この本の物語には極端にネガティブな考えをしている人がどんな感じになってしまうのかを物凄く分かりやすく書いてくれている内容だと個人的には思ってます。
誰しも人に対して傲慢な態度をとってしまったり、必要以上に相手に対して腹を立てたり、
以上にネガティブな考えをしてしまったりという事が同時じゃないにしても部分的に起きたりすると思います。
なので、何かしら人と上手くいかないと思った時は、
地下室の手記に出てくる主人公を思い出して、今の自分はそういう風になってないだろうかと振り返って考えてみる必要は誰にでもあるかもしれません。
という事で地下鉄の手記はどういう本なのか簡単に説明してみました~m(__)m
ちなみに主人公は滅茶苦茶陰湿な人なのかな~
と思ってしまわれるかもしれませんが、作中で女遊びに身を持ち崩したという描写がありますので、
現代風にいうと割と陽キャかもしれないです。(笑)